ご紹介はラルディーニ EASYライン ダブルチェスターコートです。昨今のクラシック回帰の流れでまだまだ継続しているブリティッシュスタイル。このクラシック回帰は英国のすぐれたパターンや素材を取り入れ、生産する国の特徴を融合した新しいスタイルを生んでいます。こちらはイギリス発祥のツイードにブリティッシュ感の強い大柄なグレンプレイドとイタリアスタイルならではのアウトポケットのダブルブレストを融合させた一着です。

EASYラインのコートはジャケットのEASYラインと同様に毛芯や肩パッドなどの副資材を極力省くことで、軽く柔らかい着心地と自然な見た目を追求したライン。ラルディーニのSPECIAL Lラインには胸下から肩にかけて毛芯と極薄の肩パッドがあるのに対し、こちらは胸の上から肩にかけて型崩れがしないよう最低限の範囲に毛芯を据えてドレープ感のある身頃を作り出しています。高い縫製技術を持つラルディーニだからこそ可能なコートです。

ボディはDROP7でややウエストシェイプの効いたシルエット。こちらもウエストを絞ったシルエットが特徴のブリティッシュスタイルの流れで、タリアトーレなどでもここ数年はDROP7が主流です。柄が少し映えるこのモデルの着丈は、最近のラルディーニの無地素材のコートと比較すると5cmほど短めになっています。柄物の面積が大きすぎると諄い感じも出てしまうので、そのあたりも緻密に計算されています。

素材は紡毛糸のウールを100%使い、昨年に引き続きトレンドである大きめのクラシック柄を織り上げたツイード。少し毛羽立ったふわふわ感のある手触りの中肉地でコートにしては少し薄手には感じますが十分な保温性があり、とても軽やかな着心地を体感できます。

裏仕様は大身返しで袖には裏地が付いているので着脱もスムーズです。袖口は高級感のある本切羽で仕上がっています。

サイズ感は通常のイタリアサイズをお選びください。44-S 46-M 48-L 50-XLが標準のサイズ感になります。

【スタッフの着用感】
片山：172cm 62kg
日本規格のスーツではA5(胸囲90-ウエスト78)、カジュアルではS～M、イタリアサイズのジャケットはタリアトーレ、チルコロ1901で44、シャツはフィナモレで38、ボルゾネッラで37を普段着用しています。ラルディーニは基本的にどのモデルでも44です。こちらは44で、胸周りはほどよくゆとりのあるジャストフィットです。コンパクトなアームホールで収まりも良く、肩先もぴったり合います。袖丈は腕が短め(裄丈80cm)な私で甲が半分ほど隠れる気持ち長めな印象で、着丈は膝上5cmほどでとても良いバランスです。お直しする必要はなく着用できるサイズ感です。

津田: 178cm 72kg
普段のラルディーニジャケットは46、コートは最近はゆるく着こなしたいのでデペトリロやタリアトーレでも48を着ています。ヘルノやムーレーのダウンジャケットも46サイズ着用です。ダブルブレストのコートということと、とても柔らかく軽い生地感なので46サイズがジャストサイズでした。ただ、少しオーバーな感じをだすのであればワンサイズアップも全然あり、というかむしろ今は48のほうが好みのサイズ感だったりします。カジュアルできるコートであればこれくらい軽く、柔らかい素材のものがいいなと思いました。

【 ブランド：LARDINI / ラルディーニ 】
1978年にイタリアのアンコーナにて、エトロ、プラダ、ドルチェ＆ガッバーナ、ベルサーチ、バレンチノ、バーバリーなどメンズテーラーのOEM(受託製造)工房としてラルディーニ家による家族経営で創業。1993年に自社名でオリジナルブランドを展開し、2010年春夏シーズンに新しいコレクションを発表しました。クリエイティブチームに数々のブランドのコンサルティングを行ってきたウンベルト・カンタレッリ氏を迎え、創業者の一人であるクリエイティブ・ディレクターのルイジ・ラルディーニ氏の指揮のもと、スタイリングをよりモダンでシャープな作りに変え、2009年6月に行われたPITTI UOMOでのコレクションでは、世界中のバイヤーから注目され大盛況でした。素材の面白さと加工のテクニックは随一で、ボリオリ(BOGLIOLI)、デペトリロ(De Petrillo)タリアトーレ(TAGLIATORE)、チルコロ1901(CIRCOLO1901)、ベルヴェスト( BELVEST)、フラディ(FRADI)など数あるイタリアブランドのアンコン(アンコンストラクテッドの略)ジャケットの中でも軽く柔らかい着心地とナチュラルなルックスを一番演出しているのはラルディーニではないでしょうか。